Highly Sensitive Person(ハイリー・センシティブ・パーソン)の頭文字をとった「HSP」は、「繊細さん」とも言われています。HSPさんは非HSPさんととは異なる様々な特徴を持ちます。
そのため社会の中で生きづらさを感じる人が多いですが、その中で、「仕事を覚えるのが遅い」「家事や育児に時間をとられる」「頭の回転が遅い」「何をするにも時間がかかる」・・・
などと思われることも多いようです。
なぜ時間がかかるのでしょうか。
HSPさんが「なにをするにも時間がかかってしまう」のはなぜなのか?
HSPさんが時間がかかってしまうのは・・・
- 細かいことに気が付きすぎる
- 理解してから取り掛かる
- ネガティブ思考が強く、不安になりがち
- 完璧主義の傾向がある
といったことが挙げられます。
以下で、詳しく解説していきましょう。
細かいことに気が付きすぎる
HSPさんは、仕事でも家事、育児でもとにかくいろいろな事に気が付いてしまいます。
そのため、一つの事をするときに、それに関係するあらゆる情報を広く深く細かく処理しているので時間がかかってしまうのです。
周りの環境、時間、全体的な流れ、同じ仕事に関わる人の感情、家族の習慣やクセまで、HSPさんが気にしてしまう範囲は膨大です。
それを無意識に気にしてしまうのですから、当然、時間がかかってしまいます。
理解してから取り掛かる
HSPさんは、臨機応変に、状況に応じてその場その場で対処していく事を苦手としている人が多いです。
そのため、はじめての事に取り組む場合など、まず細かい事までしっかり理解して頭に入れてから取り掛かります。
当然、取り掛かりまでに時間がかかってしまうことになります。
ネガティブ思考が強く、不安になりがち
HSPさんにとってネガティブ思考は割と標準装備なのではないでしょうか。
「失敗したらどうしよう」「こんなことが起こったら困る」そんな事を考えてしまって、不安ばかりが大きくなり、身動きが取れなくなってしまうことがよくあります。
心配、不安を多く抱えすぎると心も体も委縮してしまい、動けなくなってしまいます。
気力でなんとか動いても、仕事の速度はどうやっても遅くなってしまいます。
完璧主義の傾向がある
HSPさんは知らず知らずに完璧をめざしてしまう傾向にあります。
完璧な仕上がりを求めるあまり、他の人だったらもう仕事を終えているような仕上がりであっても満足できず、細部まで完璧な「完成」を求めて頑張り続けてしまうことも。
当然、仕事はなかなか終わりません・・・
他の事が気になったり、頼まれごとなどを断ることが苦手なことも原因の一つ
自分の仕事に熱心に取り組んでいたとしても、常に周りにアンテナを張っているHSPさん。
集中もついつい途切れてしまいます。
周りの人への気遣いで仕事を中断してしまうことも。
雑用を頼まれて断れなかったり、他の人を手伝ってしまうなど自分より他人を優先してしまい、自分のすべきことが進まない、という場合もあるでしょう。
HSPさんは時間がかかるが、反面、メリットも多い
確かにHSPさんは覚えるのが遅かったり、取り掛かるのが遅かったり、進めるのが遅かったり・・・
なにをするにも何かと時間がかかってしまうようです。
その代わり、仕事の質は各段に良いはず。
なぜなら、時間をかけて広く深く情報を処理し、対処しているだけあって、内容は丁寧でミスが少ないのです。
「失敗する原因をあらかじめつぶしている」だけあって、後々に問題が起こることが少ないのでしょう。
失敗を補ったり、やり直したりするというのは意外と時間がかかるもの。
その時間が必要なくなり、「プラン全体で言えば、時間がかからずスムーズに進んだ」といったことも多いはずです。
「HSPは仕事が遅い」なんてそのまま受け取らず、その仕事の質まで見ると、HSPさんの優れた部分がきちんと見えてきますね。
まとめ
HSPさんが「何をするにも時間がかかる」のは、HSPさんの特徴、性質に原因があります。
関係する周りの状況を広く深く処理している性質上、多少時間がかかるのは仕方がありません。
他人への気遣いから別の事に意識が向いてしまいがちな事も時間がかかってしまう理由のひとつです。
しかし、必ずしもそれが悪いのかというとそうではありません。
丁寧でミスのない仕事をすることで、信頼を得ている人も多いのです。
「時間がかかる」=「仕事ができない」と否定的に捉えるのではなく、丁寧な仕事をする上で多少の時間は必要なこと
だと前向きにとらえるとよいですね。