子供が大きくなってくると、何を考えているのか分からなくなってくることがあります。
昨日までかわいい自分の子供だったのに、急にまったく知らない人のように感じてしまうこともあるかもしれません。
そんなとき、「あの子の事が分からなくなってしまった。」と嘆く方がいらっしゃいますが・・・
大丈夫です。
嘆く必要なんてないんですよ。
「人と人とは分かり合えない」は冷たい?
私は「人はみんな違う」という話をよくします。
冷たい事を言っていると思われるかもしれません。
しかし、あなたは「人と人とは分かり合えるものだ」と、実感として感じた事があるでしょうか。
「あの人たちは本当に分かりあっているのだ」と思える人達を知っていますか?
「あの夫婦はとても仲がいいんだな」「同じような価値観を持っているんだな」と思うことはあっても、
「お互いを本当に理解しているんだな」と思えることはなかなかないのではないでしょうか。
恋人でも、夫婦であっても、たとえ血を分けた親子・きょうだいであっても、価値観はまったく同じではありません。
その人のベースとなる価値基準・その人だけの常識はそれぞれ違います。
似ていることはあるでしょう。
しかし、まったく同じではありませんし、細かさや強さなども異なります。
分かり合える部分と分かり合えない部分
確かに、生まれてから生活する中で身につける考え方のクセや習慣は、近くにいる人の影響を強く受けます。
親の価値感を子が同じように持つことは多いでしょう。
お金に関する考え方や捉え方、生活習慣についての価値観などがよく言われますね。
お金を基本的に貯める事を前提に考える人もいれば、まず、楽しく使う事を優先する人もいます。
家事はすべて妻がやるのが当然と本気で思っている人もいれば、今はそんな時代ではなく、二人で家事を分担すべき、という人もいます。
結婚し、今までの家族と全く違う価値観の人と生活することへ強いストレスを感じる人も多くいます。
そのことからも、生まれ育った家の家族は価値観が似ている事が分かります。
しかし、それは生まれた後に身につける価値観についてのハナシなのです。
親やきょうだいの持っている常識を、「そういうものなのだ」とそのまま受け入れたモノなのです。
分かり合えない部分が必ずある
幼い子供でも、みな誰に教わることもなく自分だけの価値観を持っています。
このことは、二人以上のお子さんを産み育てた事のある方には納得いただけるかと思います。
同じ親から産まれた子供でも、全く性格が違うと感じる事があるはずです。
子供達に同じように接しても、反応がまるで違ったりしますよね。
生まれたばっかりでまだ何もわからない状態であるにもかかわらずです。
車などの音や振動で泣いてしまう子もいれば、ドライブに連れていくとすぐに眠ってしまう、という子もいます。
それは、決して育て方や親の接し方などの影響ではありません。
その子が持って生まれた、その子独自のモノがあるのです。
きょうだいであっても同じではないし、親とも違います。
似ている事はあるかもしれませんが、決して同じではありません。
そして時にはそれは、親には全く理解しがたいことだったりもします。
わが子ががなにを考えているのか全然わからないと泣いてしまうお母さんもいらっしゃいます。
しかしそれって、実は当たり前のことなのです。
例え親であっても、あなたの子供はあなたと同じではありません。
大切にするものも好きなことも違います。
たしかに、長年一緒に生活し、強い影響を受けて、似ている部分はもちろん多くあるのでしょう。
同じ趣味を持っているかもしれません。
他人からは似たモノ親子と言われるかもしれません。
それでも、どうしようもなく、基本から、人と人とは別の人間なのです。
100%分かり合えることは奇跡
そもそもが違う人間なのです。
まったく違う人間として生まれたのですから持っている価値観も違います。
似ていても同じではありません。
しかし、だからこそ、人は分かり合おうとするのです。
親しい人の価値観をわかろうと努力するのです。
人間は、近しい人を理解しようと努力する生き物です。
理解することは愛することにつながります。
その人を大切にしたいという事です。
どうしようもなく違う人間を理解しようと、分かり合おうという努力をし続けるのが人間なのかもしれませんね。
「わからなくて当然」
そこからはじめていきましょう!